教えて!着物先生!

私が着物の先生になった由来

着物

 

高校に入学してからの三年間、私のクラスの担任はいつも同じ女性の先生でした。
年齢は不詳と言っていましたが、他の先生が授業中に口を滑らせたことによって40代前半であることが明らかになっていました。
そんな先生は、着物を少なくとも6着は所有しています。

 

国語の他に和の文化に触れる授業も担当していて、いろいろな一着を見る機会があったからです。
レンタルしているのだろうと思っていましたが、女子生徒との談笑に聞き耳を立てていると自前のものばかりであることが判明しました。
当時の私はゲームや菓子類の値段ぐらいしか知らなかったため、着物はファストファッション感覚で買えるのだろうと思っていました。

 

しかし、大学に進学したところで相場を知ることになり愕然とします。
着物は想像以上に購入・買取共に高額で取引されていました。
着物の買取店の数も思っていたより多かったです。

 

先生は着物を処分する際は、捨てるのではなく、買取に出すと言っていました。
その際に参考にしているサイトがこちらのようです。

 

着物買取店の口コミのまとめサイト

 

担任だった先生が少なくとも6着持っているのは、相当の倹約家もしくは実家が裕福である可能性が高いことを意味するからです。
前者なら尊敬しますし、後者であれば驚きを隠せません。
私が覚えている限り、先生は野草を油で揚げたり魚を釣り調理しているという話ばかりしていたからです。

 

仮に裕福な家庭で生まれ育っていたのなら、あえて庶民派をアピールするために一部始終を収めた動画まで撮影する努力には涙を禁じ得ません。
兎にも角にも、担任の先生の着物の所持数が多いことは教え子の誇りでもありました。
入学式と卒業式でそれぞれ違う一着で体育館を堂々と歩く姿からは、生徒のことを大切に思っている気持ちが伝わったからです。

 

入学式と卒業式には、それぞれ相応しい色というものがあると思います。
色彩やファッションに疎い私ですが、担任の先生は独自の考え方を根拠に式で表現していたのだろうと考えられます。

着物はなぜ人気があるのか

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着物は見た目の美しさ・豪華さ・文化的な格式の高さから、今は式典や年中行事での衣装としてのイメージが強いです。
着物の着付けや正装時の振る舞いなど、慣れていないと「ちょっと着物を着るのは大変かも」と尻込みしてしまいますね。
しかし、昔の人は皆着ていた訳であって、ちょっと慣れてしまえば難しくありません。
そして、着物を普段から着ている人は、現代人の悩みによくありがちな「腰痛」「肩こり」「ゆがみ」が少ないんです。

 

では、着物を普段着として着ている人の着方です。
自分の着付けは、基本が分かれば着やすいように改良してOKです。
伊達締めや紐は省力してかまいません。
帯結びは「重い」「きつい」のイメージがあるかもしれませんが、長く重たい素材の帯は、成人式のお嬢さんや結婚式のお嫁さん位です。
普段着は薄く軽く、自分で結びやすいものが、今はお店でもネットショップでも購入できます。
汚しても洗濯できる素材もあります。
こうなると洋服とあまり扱いは変わりません。

 

そして着物は平たい布を紐で結ぶ服装です。
背丈や手の長さでサイズの合う合わないはありますが、横幅に関してはワンピースのような作りなので、洋服と違い胸やウエストのサイズは関係ありません。
年齢で選ぶというより、その人の雰囲気で選ぶので、洋服より長く着れます。
洋服のように流行サイクルがない分、コスパはいいです。
妊娠中、大きなお腹でも着れます。

 

そして着物を着るときは、腰紐と胸紐を締め、帯を締めます。
これが骨盤のゆがみを正し、肩甲骨を広げ、背筋を伸ばします。
足をつい組んでしまう人や、バックを片方の肩にかける人、頬杖や肘をつく癖のある人は、それらの動作がしづらくなりますので、ゆがみが自然と解消されていきます。
ゆがみが解消されると、「肩こり」「腰痛」も緩和・改善されます。

 

「着付けも何も分からない」という人は、まずは浴衣から慣れてみると手軽でいいですよ。

浴衣を着る場面とは?

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夏の着物といえば、絽や紗、麻など涼しい素材の着物ですが、今は浴衣が定番ですね。
花火大会やお祭りに、色とりどりの華やかな柄の浴衣に、巻き髪に大きな花のヘアアクセサリーの女性はよく見かけます。

 

しかし、もともと浴衣は昔の蒸し風呂の中で貴族が着ていたもので「湯帷子(ゆかたびら)」と呼ばれていました。
その後、庶民がお風呂あがりに着るようになり、今でいう寝間着やバスローブのような扱いになりました。
現代ではオシャレ着ですが、浴衣は本来そういうものだと理解した上で、花火大会やお祭りへ着ていくのはOKです。

 

ただし、ホテルや格式が高い改まった席に着ていくのはやめましょう。
そういう場所へは、やはり夏の着物に夏の帯です。

 

浴衣はカジュアルなもの、と覚えておきましょう。
昔、風呂上りに浴衣を着ていた人たちは、外で涼んで入浴後の熱を冷ましました。

 

その時、虫に刺されないように藍染の浴衣を着ている人が多かったようです。

 

藍染めに使われる「蓼藍(たであい)」は「蓼食う虫もすきずき」の蓼で、昔から虫よけに使われているものでした。
現代でファッションの定番であるジーンズも、元々は作業着で、虫よけの為に藍色に染められていたそうです。
振袖姿が華やかな新成人があふれる、年明け1月の成人式は、地域によっては夏のお盆の帰省時期に行うところもあるそうです。

 

地方になればなるほど、若者が帰省する回数が少なくなるということを見越しての対策でしょう。
真夏の振袖は見ている方も着ている方も暑い、ということで、夏の生地で作った振袖というものも登場しています。
もちろん、浴衣で出席する新成人もいます。

 

しかし前述したように、元々はお風呂の中や入浴後に身に着けるものですから、一生に一度のセレモニーでは浴衣は控えた方が賢明です。
夏の着物の生地は、綿の浴衣よりはずっと涼しく感じるはずです。
和装ならば、夏生地の振袖にした方が見た目も場にふさわしく、涼しく過ごせますよ。

浴衣先生の母

母親は60代で定年退職した後に、着付け教室に通い始めました。
元々着物はいくつも持っていて、着る機会こそなかったけれども、着物に対して関心は高かったと思います。
お茶やお花などを独身時代には習っていて、そういう時代だったのだと思います。

 

その母親が着付け教室に通うと言い出した時には、少しびっくりしました。
活動的なタイプではありましたが、定年をしたらテニスを習いたいなど運動系のことを言っていたので、そっちの方向で手習いをするとは思っていなかったからです。

 

着付け教室に通い始めてから、着物のことを勉強をして、もう自分で着物が着られるぐらいに上達しているようです。
同時に茶道も習い始めていて、着物を着てお茶会というイベントにも参加しています。

 

安い着物だから購入したと、この間も2着ぐらい着物を購入していましたし、お出かけする際に着物で出かけるのも楽しみにしています。

 

私もこの間娘の入園式があり、母親から「着物を着るなら着付けるから」と言われていたのですが、普通のワンピースで出席しました。
着物を着ている方は本当に素敵に見えましたし、娘の入学式、息子の入園式など今後あるイベントでは、着物で出席してみようかなとも思っています。

 

母親が持っている着物の中に私に合いそうな物もあるようですし、どれを選ぶかなど一緒に着物の話ができることも楽しみだなと思っています。
60代になってから着物、お茶の勉強を楽しみにして、母親は楽しそうにしていますし、日常生活での息抜きにもなっているようです。

 

着物は年齢を重ねても楽しめるものですし、年齢による魅力も出てくるものなので、奥が深いなと思っています。
私はまだ着物の世界に踏み込んではいませんが、憧れのような気持ちは持っています。